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雅な遊戯に触れる!聞香体験

聞香体験

こんにちは~!

先日私柚子を頂いたのですが、まだ冷蔵庫に眠っていて開ける度に毎回いい匂いがしています。

柚子は実家にも植わっていたので、とても懐かしい気持ちになるんです。

そういえば、香りの記憶は視覚的な記憶に比べて忘れにくいそうですね~。さて今回はそんな香りに関するちょっと変わった体験(?)に行って来ました!!

 

皆さん『聞香(もんこう)』って聞いたことありますか?

聞香とは香道(こうどう)で使う言葉で、「香りを聞き」鑑賞する事です。香道では香りは“聞く”と表現するそうなのですが確かに嗅ぐよりも上品な感じがしますね

何かを作る教室ばかりに行っていたので、こういう“遊び”の体験は初です!

お邪魔したのは京都御所の近く、出水通りと室町通りの角にある“山田松香木店”さんです。

寛政年間に創業された老舗のお店で、香木業と薬種業をされています。

今回も店内写真は断られてしまいました。。。お店外観
外観

繁華街にあるようなお店ではなく、ちょっと気軽には入りづらいかも…。

まぁ京都はこんなお店ばっかりなんですけどね!

 

暖簾を潜りお店に入ると…良い香りだぁ~!!

予約時間よりも若干早めに到着出来たのでお店の中で商品を物色。

店内にはお馴染みの線香やお焼香、匂い袋に香炉などの他に炭と灰で焚く印香や練香といったあまり聞き馴染みのないものや、香道の道具も販売されていました。うぅ見ていると揃えたくなりますね…

レジのショーケースに入っていた何かオペでも初められそうな香道の火道具たち
火道具

伝統的な商品で“訶梨勒(かりろく)”という掛香や“薫籠(くんろう)”という編まれた籠の中に匂い袋を入れるもの等がありました。

どちらも昔は魔除けや邪気を払う為に使われていたみたいです。(“訶梨勒”が一発変換出来てちょっと衝撃を受けました)

訶梨勒

訶梨勒

薫籠

薫籠

床の間や書院板のところに置きたい…

香木店さんだけあって白檀や伽羅、沈香の欠片や刻まれたものがありましたが………たっか!!!!

伽羅1gが37,800円!?

前回の香袋体験の時に伽羅は高いというお話は聞かせていただきましたがこれほどとは。ランクや形状によって値段に差はありましたが、伽羅は総じて高かったです。。。。

でもやっぱりいい香りです。。

お線香でも伽羅入りはいいお値段しておりました。。。。

流石はもと貴族の嗜みですね!庶民には到底手が出せません。

香木の塊もありましたがアレ、いったい幾らするんでしょう。恐ろしいですね!

他にも昔の香炉や、生薬が瓶詰めされていた硝子瓶が展示してあり見て回るだけでも楽しめました。

若向けといいますか、可愛らしいデザインで比較的安価な匂い袋や置き物もありましたよ!(干支の羊型のものとかありました。可愛い…)

そんなこんなしているうちに開始時間に。

お店とは別棟にある、お庭を抜けた先のお茶室で行われました。

参加者は私を含めた5人と、主人と思われるスタッフさんの6人でしたが余り広いお部屋では無かったのでいっぱいになりました。
(※定員も5名まででしたが、広いところだと~20名受け入れいてるお店もあるようです)

席に着くと芳名帳に順番に記入していくのですが…

わ~。。。うん。はい。記帳ね!

サインペンでまだ良かったです。。。。

しかし席にはお座布団と、空の香炉と、筆ペンが…嫌な予感がしますね!

まずは香道や聞香についての簡単な説明や香の聞き方を教えて頂きます。

席に空の香炉が置いてあったのは練習するためで、スタッフさんと一緒に“聞き方”の練習。

茶道の作法に似ていますが、お茶碗を回す方向と香炉を回す方向が逆でした。

ちゃんと説明書も配られました!安心ですね!!

香の聞き方

香木は香りの性質により六つに分類され、さらに味覚にたとえて五つに分けられるそうです。

これを六国五味(りっこくごみ)といいます。

六国は伽羅(きゃら)・羅国(らこく)・真那伽(まなか)・真南蛮(まなばん)・寸門多羅(すもんだら)・佐曽羅(さそら)をいい、

五味は甘(かん)・酸(さん)・辛(しん)・鹹(かん※塩辛い)・苦(く)を言います。

当て字だと思いますが、読めませんね。。。。しかし寸門多羅も一発変換で出ました。。

これらを使って香りを分類するそうですが、今回の体験には使わないからか余り詳しい説明はありませんでした。

次に今回行った「三種香(さんしゅこう)」という香りあて遊びの説明です!!

簡単に説明すると、三種類の香炉に焚いた香木の種類がそれぞれ同じか、違っているかを当てるゲームです。

それを紙に記し、主人が答え合わせを行い点数をつけます。

三種類とも違う香木だと思えば、縦の棒を三本引いた 緑樹の林。

一番目と二番目が同じ香りだと思えば、右端と真ん中の頭を繋いだ 隣家の梅。

一番目と三番目が同じ香りだと思えが、右端と左端の頭を繋いだ 孤峰の雪。

二番目と三番目が同じ香りだと思えば、真ん中と左端を繋いだ 琴の音。

全て同じ香りだと思えば、三本の頭を全て繋いだ 尾花の露。

一々言い方が耽美というか…
三種香の聞き方

説明を受けたところで早速開始!!

香を焚くための香炉の準備から目の前で見せて頂くのですが。。。これを人前でやろうと思うと相当練習されたんだろうなぁ。

灰の山を作るところから香木の破片を乗せるまで、全て計算されたような優雅さ。

道具の出し方や片づけかたもおそらく順番があると思われます。

ぐるりと室内を囲む様に円に座っていたのですが、主人が上座に座り、主人から見て左手から客に香炉を回していきました。

私は主人の直ぐ右手、つまり一番最後に香炉が回ってくる位置に居りました。

個人的な感想は、一番目は爽やかなイメージ。

二番めは良く嗅ぐというか、お香として無難なイメージ。

三番目は…?。なんか塩っぽい??何となく梅っぽいようなイメージ。

三種類全て“聞いた”あとは“記紙”と呼ばれる和紙に回答を記します。

この回答の記し方にも書き方があって、縦に四つ折りにしてある紙の決まった箇所に答えと表に自分の名前を書きます。

ここで名前を書くのにもルールが。

 

・濁音は省く。

・子どもの子が名前に付く人は省略する。

 

例えば“じゅんこ”だと、“しゅん”になるわけです。

下図の様に書き込みます

記紙の書き方

…………はい。書くんです。

筆ペンで……。

あ~もう。本当に。。

お察しのことと思いますが。

私、字が褒められたものではありません。。

ぶっちゃけ汚いです。

毎回毎回ギャラリーの芳名帳とか熨斗紙の表書きとか…。。

いえもういい大人なんでそんなこと言ってらんないんですがね。。。

一応ゆっくり丁寧に心がけしたが(泣)

答えを記入した後は主人に回収され、答え合わせです!

割りとわかりやすくバラバラな気がしたので、全部違う“緑樹の林”にしたのですが。。

あれ誰も一緒じゃないぞ…;??

この答え、実は主人側も分からないそうです。

焚いた香木の欠片をそれぞれ包んでいた紙の隅に、予め印を書いておいて、最後に開いて答え合わせなのですが…

 

 

なんと!!!

 

 

私正解しました!

良かったお約束にならなくて!

正解者の記紙には、主人が「叶」とかいてくださり、願い事が叶うという意味だそうです!!

やった!

ああああああ凄く晒したく無いですが。。。証拠なので。。 札 中主人役のスタッフさんの字が美しいのでいたたまれないです

 

これにて体験は終了!

ちょっと嬉しい気持ちで終われました(笑)

今回はゆっくり非日常を味わう事のできる、貴重な体験でした。

隔離されたお茶室だったこともありますね。とてもおもしろかった!

ではこの辺りで今回は失礼致します!!
次はまた「ものづくり」の体験に行って来ますよ!!